キツネは夏の風物詩!?浅草の一角にキツネが大集結するキツネオンリーイベント「きつね夏詣展」
人気観光地にキツネ?
東京を代表する観光地の一つ、浅草。
浅草寺や雷門、仲見世通りなど、国内外から多くの観光客が訪れるこの街の一角に、期間限定で「キツネだらけ」になる場所があるとの噂があるようです。
そこは浅草にあるギャラリー「Atelier COMET」。
ここでは「きつね夏詣展」が開催されていました。

名前の通り、キツネをテーマにした作品が集まるキツネオンリーのイベントです。
キツネ好きとして見逃すわけにはいかないということで、同じ日に訪れた瑞穂町郷土資料館けやき館の企画展「瑞穂のキツネ」に続き、今度は浅草へ向かいました。
ほんとにキツネだらけ
今回訪れた「Atelier COMET」は、東京都台東区浅草にあるギャラリーです。
観光地の賑やかな喧騒から少し離れ、住宅街が姿を現す辺りにお店を構えています。
お店に到着し、中へ足を踏み入れると、目の前に広がっていたのは……

キツネ!

キツネ!

そして、またキツネ!

棚にもキツネ!

壁にもキツネ!
あっちもそっちもこっちもどっちもキツネ作品がズラリ。
夏の暑さで遂に頭がやられてしまったのかと思うほど、幸せな空間が広がっていました。
店内には私以外にも何名かお客さんがいて、それぞれ気になる作品を眺めたり、グッズを手に取ったりしていました。
ギャラリー自体は決して大きな空間ではないのですが、そこに詰め込まれたキツネの密度はものすごかったです!
一口にキツネの作品といっても、その表現は驚くほど幅広いものでした。
思わず頬が緩んでしまうような可愛らしいキツネ。
野生動物らしい凛々しさを感じるカッコいいキツネ。
神秘的で、どこか人ならざるものを感じさせる美しいキツネ。
リアルな動物として描かれたものもあれば、デフォルメされたキャラクターや獣人として表現された作品もありました。
同じ「キツネ」という一つのテーマから、作家さんによってここまで違う世界が生まれるのかと驚かされました。
そんなことを考えながら、一つひとつの作品をじっくり眺めていました。
小さなお店なので最初はそれほど長く滞在するとは思っていませんでしたが、気になる作品を見つけては立ち止まり、少し戻ってはもう一度眺め、グッズを手に取っては悩み……。
そんなことを繰り返しているうちに気付けば3時間近くが経過していました。
小さな空間だからこそ、一つひとつの作品との距離が近くなれたのは「きつね夏詣展」の魅力なのかもしれません。

店員さん……じゃない!?
展示を眺めている途中、ある方から「色んな作品があるのでゆっくりご覧ください」と声をかけていただきました。
最初はAtelier COMETの店員さんだと思っていたのですが、お話ししてみたら全然違いました……
なんと、展示作品の一部を制作したクリエイターご本人様(HEMOさんとKUROKUROさん)だったのです!
作品を手掛けたご本人様から直接お話をお伺いできたのは思ってもいなかった嬉しい出来事でした。
お話を伺ったところ、その方が多く手掛けているのは獣人を題材とした作品でした。
これまでギャラリーには獣人系のジャンルはそれほど多くなかったそうですが、今回は獣人枠が増えたことから応募されたそうです。

HEMOさんとKUROKUROさんによるコラボ創作「春雪」が展示されていました。
青を基調としたイラストはどこか神秘的で、妖しさも感じさせる独特な雰囲気を持った作品が多く、動物としてのキツネとはまた違った魅力があります。
一口にキツネといっても、リアルな動物からキャラクター、獣人まで表現方法はさまざまあり、改めてキツネの奥深さを感じる出会いとなりました。
心を奪われた作品
クリエイターさん達との会話を終えて、再び店内を見て回りました。
そこで特に心を奪われた2枚の壁掛け作品がありました。
一つは神乃随さんの『月 yuē』

描かれているのは、上を向く一匹のキツネです。
非常にリアルな作品で、じっと見ていると今にも動き出しそうなほどの生命感があります。
淡い色調を巧みに使いながら、光が当たる部分と影になる部分を丁寧に描き分けることで、キツネの柔らかな毛並みが表現されています。
平面に描かれた絵のはずなのに、眺めているとその毛の一本一本に触れられそうな気さえしてきます。
上を向く姿からは、月を見つめているようにも、風や匂いを感じ取っているようにも見えました。
静かな美しさがあり、いつまでも眺めていたくなる作品でした。
そしてもう一つがミチヨシさんの『リボンのフェネック』

こちらは先ほどとはまったく異なる雰囲気でパステルカラーの緑色の背景に、大きなピンク色のリボン。
そして、その中央にいるのは限界まで眩しい笑顔を咲かせる白いフェネックです。
お日様にも向日葵にも負けない、これでもかという程とびっきりの笑顔です。
リアルで静かなキツネの絵とは対照的に、こちらはコミカルで明るい作品です。
その表情を見た瞬間、こちらまで自然と笑顔になりました。
まるで心の中に陽が射したような、不思議な明るさを感じる作品でした。
ギャラリーには他にも素敵な作品が多数並んでいましたが、壁掛けの中ではこの2つの作品が直感で「好き!」と思えました。
こうした出会いや感情は実際にギャラリーへ足を運んで実物を見てみなければ、感じられなかっただろうと思います。
お迎えできるんです!
そして嬉しいことに、「きつね夏詣展」に並んでいるものは見るだけではありません。
作品やグッズの多くは購入することができます。
つまり、気に入ったキツネさんをお家へお持ち帰りできるのです。
先ほどの2作品にも値札が付いており、それを見ながら悩みます。
……いや、実際にはそれほど悩んでいなかったのかもしれません。
迷わずお迎えすることにしました。
ギャラリーで原画を購入するというのは、量産されている一般的なキツネグッズを購入するのとは少し違った感覚でした。
自分が「これだ!」と感じた作品を吟味し、この日1日の出来事そのものを思い出として持ち帰るようで、特別な感覚でした。
まさかのミチヨシさん!
さらに驚いたことに、『リボンのフェネック』を制作したクリエイター、ミチヨシさんもこの日店内にいらっしゃり、購入する際に直接お話しすることができました。
作品を描くときのお話や今後どのような作品を作っていきたいかといった展望など、お会いできなければ聞くことのできなかったお話をたくさん聞くことができました。
インターネット通販で家にいながら様々なものを購入することができる時代ですが、思いもよらない出逢いや感動は家にいるだけでは得られなかったと改めて感じさせられました。
これらの体験まで含めて、一つの作品を「お迎えした」のではないかと思います。

気付けばカゴがキツネのお家
もちろん、購入したのは絵だけではありません。
他のクリエイターさんの作品も魅力的なものばかりでした。
ポストカードを見ては、
「これもいいな」
グッズを見ては、
「これも欲しい」
別の棚へ移動して、
「こっちもいい……」
そんなことを繰り返していたらカゴはキツネで溢れ、大家族のお家のようになっていました。
手にずっしりと感じる重さは幸福の重さなのでしょう。
結果として、さまざまなクリエイターさんのキツネグッズやポストカードなどをたくさんお迎えすることになりました。

店内の奥には……
買い物の際には、Atelier COMETの店員さんともお話しすることができました。
そこで教えていただいたのが、店内の奥にある一風変わった展示についてです。

赤を基調とした小さな神社に、たくさんのキツネたちが集まっています。
ただでさえキツネだらけの店内なのに、その一角はさらにキツネの密度が高くなっていました。
この展示を手掛けているのが、先ほどお話ししていた店員さん。
しかもここに集まっているキツネやグッズたちは、さまざまな方から「奉納」されたものも多いとのこと。
少しずつキツネが集まり、年々規模が大きくなっているそうです。
キツネ好きがキツネを持ち寄り、それが積み重なって一つの空間になっていく。
そんな経緯を知ると、単なるディスプレイとはまた違って見えてきます。
これからさらにキツネが増え続けたらいったいどうなってしまうのか……次に訪れたときが楽しみです。
店員さんもキツネ大好き
そして、この店員さんも「いつかお家で飼ってみたい」と話すほど大のキツネ好きでした。
そこからは当然キツネトーク!
キツネが好きな者同士、話題が尽きません。
展示について話したり、本物のキツネの可愛さについて話したり、終始さまざまなキツネの話で盛り上がりました。
初めて訪れたお店だったにもかかわらず、気付けばいろいろな話をしていました。
そこで思い出したのが、この日先に訪れていた瑞穂町郷土資料館けやき館の企画展「瑞穂のキツネ」です。
「キツネ好きなら、ぜひこちらも!」ということで、持っていた企画展のチラシを店員さんにプレゼントしました。

一日に二つのキツネイベントを巡り、一方で手に入れた情報を、もう一方のキツネ好きへ伝える。
キツネを通じて人と人がつながっていくようなそんな嬉しい瞬間でした。
クリエイターさんたちに見送られて
こうして約3時間にわたる「きつね夏詣展」での時間もあっという間におしまいお時間です。
お店を出るとき、この日お話ししてくださったクリエイターさんたちが出口まで見送ってくださいました。
人気観光地にキツネが集まるとの噂を聞き付け、作品を見ることを目的に訪れたはずでした。
しかし、振り返ってみれば印象に残っているのは作品だけではありませんでした。
クリエイターさんとの出会い。
作品について直接聞いた話。
店員さんとのキツネトーク。
そして、キツネが好きな人たちが集まって作り上げた空間そのもの。
キツネを通じて作品と人とが繋がったことが「きつね夏詣展」の大きな魅力だったと思います。
本日お会いしたクリエイターさんのみなさま、貴重なお話をいただきありがとうございました!
HEMOさん
KUROKUROさん
ミチヨシさん
全年齢↓
R18↓
https://x.com/rinri1310
「夏詣」の次は年始のキツネ
店員さんにお話を伺ったところ、Atelier COMETでは年始と夏の年2回、キツネオンリーのイベントを開催しているそうです。
今回は「きつね夏詣展」
年始は「初午きつね展」
次は年始のキツネたちにも会いに行きたいところです。
次回はどのような作品が並ぶのか。
キツネが大集合していたあの神社は、さらに大きくなっているのか。
そして、今度はどんなキツネをお迎えできるのか。
とても楽しみです!
キツネの夏
「きつね夏詣展」は、単純にキツネグッズがたくさん販売されているイベントではありませんでした。
リアルなキツネ。
可愛いキツネ。
カッコいいキツネ。
美しいキツネ。
神秘的なキツネ。
不思議なキツネ。
「キツネ」という一つのテーマを、たくさんのクリエイターさんがそれぞれの感性で表現しています。
だからこそ、作品を一つひとつ見ていても飽きることがありませんでした。
小さなギャラリーでありながら気付けば3時間。
それほど濃密なキツネの世界が広がっています。
さらに今回は、複数のクリエイターさんや店員さんと直接お話しできたことで、作品を見るだけでは分からない世界まで知ることができました。
同じ日に訪れた「瑞穂のキツネ」が、東京に実際に暮らしている野生のキツネと人間との関係を知る機会だったとすれば、「きつね夏詣展」は、人間がキツネという存在に魅了され、それを創作の中でどのように表現しているのか楽しめる場所だったといえるでしょう。
生き物としてのキツネを知り、創作としてのキツネを楽しむ。
朝から晩までキツネ尽くし。
キツネ好きとして、これ以上ないほど充実した一日となりました。
夏といえば海。
夏といえば花火。
夏といえばキツネ。
は言い過ぎですが、少なくとも私にとって、この日は間違いなく「キツネの夏」でした。
再び浅草の一角がキツネで埋め尽くされる日を楽しみにしながら、たくさんの家族とともにAtelier COMETをあとにしました。

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Atelier COMET
東京都台東区浅草4-28-14
Atelier COMET 公式サイト