ざ ふぉっくす えくすぺりめんと The Fox Experiment

ソ連で実際に行われたキツネの家畜化実験をテーマにした1~4人用のボードゲーム

概要

The Fox Experimentは2023年に発売されたボードゲームである。

ゲームデザインは『ウイングスパン』で知られるElizabeth HargraveとJeff Fraser、販売元はPandasaurus Gamesが担当した。

プレイ人数は1~4人、プレイ時間は約60分で、実際に行われたキツネの家畜化実験をテーマにした珍しい作品である。

ゲームの題材となっているのは、1958年にソ連(現在のロシア)で遺伝学者ドミトリー・ベリャーエフとリュドミラ・トゥルートによって始められた「キツネ家畜化実験」である。

この実験では、人間に対して友好的なキツネだけを選択交配し続けた結果、垂れ耳や巻き尾、まだら模様など、犬のような特徴を持つキツネが現れたことで世界的に知られている。

ゲームではこの実験をモチーフに、プレイヤーは研究者となって理想のキツネを育成していく。

テーマ性とゲームシステムの結び付きが非常に強く、実在する科学研究をボードゲームとして体験できる作品として高い評価を受けている。

販売元

Pandasaurus Games

制作者

ゲームデザイン

・Elizabeth Hargrave

・Jeff Fraser

イラスト

・Joe Shawcross

発売年

2023年

プレイ人数

1~4人

プレイ時間目安

約60分

ゲームストーリー

1958年、ソ連の遺伝学者ドミトリー・ベリャーエフとリュドミラ・トゥルートは、「野生のキツネは人になつくようになるのか」という壮大な実験を開始した。

数多くの野生のギンギツネの中から、人間に対して攻撃性が低く、好奇心を示す個体だけを選び出し、その子ども同士を何世代にもわたって交配させることで、家畜化の過程を再現しようと試みたのである。

プレイヤーはこの実験へ参加する研究者となり、親となるキツネを選び、新しい世代の子ギツネを誕生させながら研究を進めていく。

友好的な性格だけでなく、耳や尻尾、毛色などの特徴も少しずつ変化していく様子がゲーム内でも表現されており、科学史に残る実験を追体験できる内容となっている。

遊び方

ゲームは全5ラウンドで進行し、それぞれが一世代の繁殖実験を表している。

各ラウンドでは、まず場に並んだ親ギツネの中からオスとメスを選択する。親ギツネにはさまざまな能力や遺伝的特徴が設定されており、どの組み合わせを選ぶかが重要な戦略となる。

親ギツネを決定したら、親が持つ能力に応じたダイスを獲得して振る。出目を組み合わせながら子ギツネの特徴を決定し、専用シートへ記録していく。

完成した子ギツネは、

・人懐っこさ

・耳の形

・毛色

・尻尾の特徴

など、さまざまな能力や外見を持つ個体として誕生する。

条件を満たすことで研究カードを達成したり、支援者(パトロン)から評価を受けたり、設備を強化したりしながら得点を獲得していく。

ラウンド終了後は、誕生した子ギツネが次世代の親候補となる。そのため、自分だけでなく他プレイヤーが育てた優秀なキツネも次の繁殖へ利用できる点が特徴である。

5世代にわたる研究終了後、研究成果や育成したキツネ、各種ボーナスを合計し、最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となる。

キツネとの関係性

本作はキツネそのものをテーマにしたボードゲームである。

しかも、単なる動物を題材にした作品ではなく、実際に世界で行われた「キツネ家畜化実験」を忠実にゲームへ落とし込んでいる点が最大の特徴である。

ゲーム中では世代交代を繰り返しながら、人間へ友好的な性格を持つキツネを育成していく。その過程では、現実の実験と同様に垂れ耳や巻き尾など、家畜化によって現れる特徴も再現されている。

また、誕生した子ギツネには名前を書き込むことができ、自分だけのキツネを育てていく感覚も楽しめる。

キツネを「狩る」「倒す」存在ではなく、一匹一匹を大切に育てることを目的としている作品は非常に珍しく、キツネへの愛着が自然と湧いてくるゲームデザインとなっている。

さらに、科学教育としての側面も持ち合わせており、遊びながら遺伝や選択交配、家畜化について学べる点も本作ならではの魅力である。

販売サイト

・CMON JAPAN(英語版)

https://cmonjapan.shop/collections/all/products/the-fox-experiment

※2026年8月時点では、日本語版は確認できず、国内では英語版の取り扱いが中心となっている。