きつねつき/くぎしき 狐憑き/くぎ式
神奈川県逗子発のローファイオルタナティブロックバンド・くぎ式による楽曲である。 作詞・作曲は川本モワカが担当している。理性と衝動の境界が崩れていく中で、異様な恋愛感情に取り憑かれていく人物を描いた楽曲であり、「狐憑き」という言葉や狐を思わせる鋭い視線が、その不安定な精神状態を表現するモチーフとして使われている。
基本情報
タイトル:狐憑き
アーティスト:くぎ式
作詞:川本モワカ
作曲:川本モワカ
ジャンル:オルタナティブ/ギターロック/ローファイポップ
くぎ式の公式Eggsページでは、「狐憑き」が同バンドの公開楽曲の一つとして掲載されている。
楽曲について
「狐憑き」は、恋愛感情が徐々に正常な判断を失わせ、理性と衝動の境目が崩れていく様子を描いた楽曲である。
Eggsの公式楽曲解説では、異様な恋愛感情に取り憑かれていく人物を描いた作品とされている。正常と異常の境界が曖昧になり、感情だけが暴走していく状態が中心的なテーマとなっている。
楽曲では恋愛によって精神が高ぶり、判断力を失っていく人物と、その状態を診断する医師という構図が描かれる。恋愛という身近な感情を扱いながら、それが次第に狂気へ近づいていく不穏な内容となっている。
くぎ式自身は本作を、恋愛と狂気の境界が崩れ、人物が静かに壊れていくポップソングとして説明している。
キツネとの関係
本作では、「狐憑き」が精神状態を表現する重要なモチーフとして使用されている。
日本で「狐憑き」と呼ばれてきたものは、狐や狐に由来する霊的な存在が人間に取り憑き、その人物の言動や精神状態を変化させると考えられてきた怪異・民間信仰である。
本作では実際に狐の霊へ取り憑かれる怪談を描いているのではなく、異常なほど強くなった恋愛感情に「取り憑かれている」状態を、狐憑きになぞらえている。
さらに楽曲内では、狐憑きを思わせる鋭く吊り上がった視線が印象的な表現として使われている。くぎ式自身の楽曲解説でも「狐憑きのような視線」が、救いのない診断と交錯する作品として説明されている。
そのため「狐憑き」という題名は単なる飾りではなく、人間の理性を超えて感情が暴走する状態を象徴する言葉として、楽曲のテーマそのものに組み込まれている。
日本で古くから恐れられてきた狐憑きという怪異を、現代的な恋愛感情と精神的な不安定さの比喩として用いた作品である。
くぎ式について
くぎ式は、神奈川県逗子を拠点とするローファイオルタナティブロックバンドである。
ノイズとメロディー、静けさと激しさを行き来するサウンドに日本語の歌を乗せることを特徴としている。USオルタナティブロックの影響を受けた2ギター編成を軸に、違和感と調和を独自のバランスで表現している。
2026年4月には1stアルバム『兎に角』を配信リリースしている。