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がるー/じょるでぃ・ろれんす ガルー/ジョルディ・ロレンス

Garrutは、スペイン北東部・カタルーニャ州でワイン造りを行うジョルディ・ロレンス(Jordi Llorens)が手掛ける赤ワインである。 カタルーニャのブランカフォルト村を拠点とするジョルディ・ロレンスは、代々続く農家のブドウ畑を受け継ぎ、2008年から自身のワイン造りを開始した。2012年からは現在につながるナチュラルワインのスタイルへ移行し、畑とセラーの双方でビオディナミを実践している。 「ガルー」にはモナストレルを100%使用。2022年ヴィンテージはアルコール度数10%の赤ワインとして流通しており、淡いルビー色と軽快な口当たりを持つ個性的な仕上がりとなっている。

生産者:ジョルディ・ロレンス
生産国:スペイン
地域:カタルーニャ州コンカ・デ・バルベラ
拠点:ブランカフォルト
種類:赤ワイン
ブドウ品種:ガルー(モナストレル)100%
容量:750ml
2022年ヴィンテージ アルコール度数:10%

狐との関わり

「ふぉくすなっ♪」で注目したい最大の特徴が、ラベルに描かれたキツネである。

2022年の「ガルー」では、長い尾を持つオレンジ色のキツネがラベルの中央に大きく描かれている。頭から背中、脚、そして体の周囲を回るような大きなしっぽまで、キツネそのものがラベルの主役となったデザインである。

一方、「Garrut」という名称そのものがキツネを意味しているわけではない。

ガルーはカタルーニャで使われるブドウ品種名で、モナストレルと同じ品種を指す名称として公的資料にも掲載されている。したがって、

「ガルー=狐という意味だから狐が描かれている」

と説明するのは誤りである。

なぜこのキュヴェのラベルにキツネが採用されたのかについては、今回確認できた生産者・輸入販売関連の資料では明確な説明を確認できなかった。そのため、狐の採用理由については推測せず、「キツネを大きく描いたラベルを持つワイン」と紹介するのが適切である。

ガルーとは

「Garrut」はカタルーニャで用いられるブドウの呼称で、一般的にはモナストレル(Monastrell)として知られる黒ブドウ品種を指す。カタルーニャ政府系機関INCAVIの品種資料でも「Monastrell, Garrut」と併記されている。

モナストレルはスペイン南東部などで広く栽培される品種で、フランスではムールヴェードル(Mourvèdre)の名称でも知られる。

ジョルディ・ロレンスの「ガルー」では、この品種を100%使用している。

商品名は、国際的に知られる「Monastrell」ではなく、地域に根差した「Garrut」という呼称をそのまま採用している点も特徴的である。

ジョルディ・ロレンス

ジョルディ・ロレンスは、カタルーニャ州コンカ・デ・バルベラのブランカフォルト村を拠点とするワイン生産者である。

ロレンス家は1779年からブドウだけでなく、アーモンドやオリーブなども育ててきた農家である。ジョルディは受け継いだ約16ヘクタールの畑でブドウを栽培し、2008年から自身のワイン造りを開始した。

当初は現在とは異なるスタイルでワインを造っていたが、同じコンカ・デ・バルベラの生産者ジョアン・ラモン・エスコーダらの影響も受け、2012年ヴィンテージからナチュラルワインへ移行した。

現在は畑とセラー双方でビオディナミを実践し、自然酵母を使用したシンプルな醸造を行っている。濾過なども行わず、ブドウ本来の果実味や土地の個性を生かしたワイン造りを特徴としている。

ワインの特徴

ガルーでは、モナストレルを約1週間醸した後、自然に流れ出るフリーランジュースのみを使用する。

その後、ステンレスタンクで約6か月発酵・熟成し、酸化防止剤を加えず、無濾過・無清澄で仕上げられている。

外観は透明感のある淡いルビー色。

香りには、

・白イチゴ
・イチゴジャム
・ネクタリン
・イチジク

などを思わせるニュアンスがあると紹介されている。

口当たりはすっきりとしており、高めの酸味と穏やかなタンニン、塩味を感じさせるミネラル感が特徴である。

モナストレルというと力強く濃厚な赤ワインを想像することも多いが、本商品は醸し期間が約1週間と短く、抜栓直後にはロゼワインを思わせるような軽やかさも感じられるスタイルとなっている。飲み進めるにつれてタンニンと骨格が現れるため、前菜からメイン料理まで幅広く合わせやすいと紹介されている。

ラベルのキツネ

ガルーの狐との関係を語るうえで、やはり最も印象的なのがラベルである。

2022年ヴィンテージでは、黒に近い背景の中にオレンジ色のキツネが描かれている。キツネは横向きに立ち、非常に大きなしっぽが体の周囲を回るように配置されている。

商品名の「garrut」は小さく配置される一方、キツネはラベルの大部分を占めており、遠くから見ても狐ワインだと分かるほど存在感が強い。

これまで紹介したフリードリッヒ・ベッカーのように狐がワイナリー全体のシンボルとなっている例とは異なり、「ガルー」では特定キュヴェのデザインとして狐が登場している。

ただし、ラベルデザインはヴィンテージによって変更される可能性があるため、「ジョルディ・ロレンスのすべてのガルーが必ずこの狐ラベルである」とまでは断定しない方がよい。日本の販売店でも、掲載デザインやヴィンテージが実際の商品と異なる場合がある旨が案内されている。

豆知識

ジョルディ・ロレンスのワイン造りでは、粘土製のアンフォラも重要な役割を持っている。

2017年に新しいセラーを造った際には、主に白ワインに使用する10基の粘土製アンフォラを地中へ埋めている。現在も家族を中心とした小規模なワイン造りを続けており、ボトリングやワックスによるキャップシールなども手作業で行われている。

また、ジョルディ・ロレンスのワインは、コペンハーゲンのレストラン「noma」で採用された実績もある。

「ガルー」は地域固有のブドウ呼称、ナチュラルワインという造り、そして大きなキツネを描いたラベルという三つの個性を持ったワインである。

関連項目

  • ジョルディ・ロレンス
  • ガルー
  • モナストレル
  • ムールヴェードル
  • コンカ・デ・バルベラ
  • カタルーニャワイン
  • ナチュラルワイン

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