おきつねさまのいうとおりっ お狐サマの言うとおりッ!
かたやま和華による和風ファンタジー・ラブコメディ小説で、イラストは風都ノリが担当している。 2007年にビーズログ文庫(エンターブレイン、現KADOKAWA)より刊行された作品で、「お狐サマ」シリーズの第1巻にあたる。現代と異世界「お江都(おえど)」を舞台に、人間の少女と九尾の狐との騒がしくも心温まる共同生活が描かれる。
あらすじ
高校生の風祭桐緒は、満月の夜に傷ついた一匹の白猫を助ける。
翌日、その白猫を連れた銀髪の美青年が突然現れ、自らを**九尾の狐・紗那王(さなおう)**と名乗る。そして「狐は恩を忘れぬ。助けてくれた礼に、お前に憑いてやろう」と一方的に宣言し、桐緒の家へ住み着いてしまう。
さらに、生意気な化け猫や個性的なあやかしたちも加わり、桐緒の日常は次々と騒動に巻き込まれていく。人間と妖狐が織りなす、賑やかで少し不思議な恋物語が始まる。
狐との関わり
本作の中心となるのは、九尾の狐・紗那王である。
紗那王は絶世の美青年へ変身できる強力な妖狐だが、高飛車で自由奔放な性格をしており、人間社会の常識にはあまり縛られない。一方で、恩を受けた相手には義理を重んじるという、古くから伝わる「狐は恩を忘れない」という伝承を思わせる一面も持っている。
妖狐らしい神秘性と、コミカルなキャラクター性が融合した魅力的な存在として描かれている。
主な登場人物
風祭桐緒
本作の主人公。
ごく普通の高校生だったが、紗那王と出会ったことで妖怪たちの騒動へ巻き込まれていく。
紗那王
九尾の狐であり、本作のヒロイン(または主要人物)。
銀色の髪を持つ美しい妖狐で、恩返しのため桐緒に憑くことを決める。
自由気ままで高慢な性格ながら、仲間や恩人を大切にする一面もある。
化猫の小僧
白猫の正体である化け猫。
紗那王とともに桐緒の前へ現れ、騒動をさらに賑やかなものにしていく。
作品の魅力
本作の魅力は、シリアスな妖怪伝承ではなく、明るくテンポの良いラブコメディとして狐を描いている点にある。
見どころとして、
九尾の狐との同居生活
人間と妖怪の交流
軽快な会話劇
恋愛とコメディの絶妙なバランス
個性豊かなあやかしたち
などが挙げられる。
シリーズを通して、紗那王と桐緒の関係が少しずつ変化していく様子も読みどころである。
キツネ好きにおすすめのポイント
本作では、九尾の狐が主人公格として活躍する。
恐ろしい妖怪としてではなく、美しく誇り高く、それでいてどこか親しみやすい存在として描かれているため、妖狐を題材としたライトノベルが好きな人におすすめである。
シリーズとの関係
『お狐サマの言うとおりッ!』は、「お狐サマ」シリーズの第1巻である。
続編には、
『お狐サマのから騒ぎッ!』
『お狐サマの縁結びッ!』
などがあり、その後もシリーズは続いている。主人公たちの関係や物語をより楽しむためには、第1巻から順番に読むのがおすすめである。
キツネ文化との関わり
日本では九尾の狐は、強大な妖力を持つ妖狐として数多くの伝説に登場する。
本作では、その伝承をベースにしながらも、恋愛やコメディ要素を取り入れることで、現代のライトノベルらしい親しみやすい妖狐像へとアレンジしている。
九尾の狐とは?
九尾の狐は、中国や日本など東アジアの伝承に登場する伝説上の妖狐で、長い年月を生きることで尾が増え、九本になると莫大な妖力を得るとされる。
日本では玉藻前の伝説とも結び付けられ、創作作品でも人気の高いモチーフとなっている。