きつねのしゅくえん 狐の祝宴
栃木県の西堀酒造が製造し、KURAND(クランド)が展開する純米吟醸酒である。 甘く優しい味わいを特徴とし、ふわりと広がるフルーティな香り、徐々に深まる濃醇な甘みと旨み、そして最後にスッと消えていくキレのよさを楽しめる日本酒として紹介されている。 商品名の通り、夜の森で狐たちがひっそりと祝宴を開いているような幻想的な世界観が設定されており、味わいそのものも「狐たちの宴」に重ねて表現されている。
製造元:西堀酒造
販売:KURAND
生産地:栃木県
種類:純米吟醸酒
原料米:とちぎの星(栃木県産)
精米歩合:60%
アルコール度数:16%
日本酒度:-3.0
酸度:2.0
容量:720ml
狐との関わり
「狐の祝宴」という商品名そのものが、狐を中心とした幻想的な情景から付けられている。
KURAND公式では、夜の森をいくつもの灯りが進み、人には見えないところで狐たちが静かに、しかし盛大に宴を開いているという世界観が設定されている。
酒の味わいについても、
甘みが膨らむ
↓
香りが舞う
↓
最後にスッと消える
という流れを、祝宴の余韻だけを残して姿を消す狐たちに重ねて表現している。
そのため本商品では、単にラベルに狐が描かれているだけではなく、
・商品名
・ラベルデザイン
・酒の味わいの表現
・商品のストーリー
のすべてに狐が取り入れられている。
狐の嫁入りとの関わり
さらに「狐の祝宴」は、栃木県に伝わる「狐の嫁入り」との関係も持っている。
KURAND公式では、製造元である西堀酒造について「狐の嫁入りの伝説が今も息づく栃木の地で酒を醸す」と紹介している。
狐の嫁入りとは、日本各地に伝わる狐に関する伝承の一つである。
地域によって内容は異なるが、夜の山野に連なる不思議な灯りを狐の婚礼行列に見立てたり、晴れているにもかかわらず雨が降る「天気雨」を狐の嫁入りと呼んだりする文化が知られている。
「狐の祝宴」は、こうした日本の狐伝承を感じさせる世界観と、栃木の土地で造られた日本酒を組み合わせた商品なのである。
西堀酒造
製造を担当しているのは、栃木県小山市の西堀酒造である。
狐の祝宴では、栃木県産の酒米「とちぎの星」を使用している。
なお、2025年6月19日の発売後、KURANDは原料米の表記に誤りがあったとして訂正を発表している。現在の公式商品ページでは、原料米は「とちぎの星(栃木県産)」と記載されている。
そのため、図鑑では現行公式情報である「とちぎの星」を記載するのが適切である。
味わい
狐の祝宴は、濃醇甘口タイプの純米吟醸酒である。
香りは熟した果実を思わせる瑞々しくフルーティなタイプで、口に含むとしっとりとした甘みと旨みが重なりながら広がっていく。
一方、後味は長く重たく残るのではなく、最後にはスッと消えるようなキレを持つ。
この「甘く膨らみ、最後に消える」という味わいが、狐が人前から突然姿を消すような神秘的なイメージと結び付けられている。
おすすめの飲み方
KURANDでは、冷やしてワイングラスで飲む方法をおすすめしている。
フルーティな香りを楽しみやすいため、一般的な日本酒用のお猪口だけでなく、香りが広がりやすいワイングラスとの相性もよい。
また、冷酒だけでなく、ぬる燗でも楽しめる酒として紹介されている。
食事との組み合わせでは、
・カプレーゼ
・ハーブソルトのグリルチキン
・イタリアン
などが推奨されている。
商品の世界観
「狐の祝宴」の魅力は、酒そのものだけでなく、一本の商品として物語が作り込まれている点にもある。
舞台となるのは夜の森。
人間には見えない場所で狐たちが集まり、灯りを連ねながら静かな祝宴を開く。そして宴が終わると、狐たちは余韻だけを残して忽然と姿を消してしまう。
その情景を、
・フルーティな香り
・濃醇な甘み
・旨み
・最後のキレ
という酒の味わいへ重ねている。
「狐をテーマにした日本酒」というだけでなく、味覚そのものを狐の物語として表現している点が非常に特徴的である。
豆知識
「狐の祝宴」は2025年6月19日に発売された商品である。KURANDは同年7月3日、発売時の商品情報にあった原料米表記について訂正を発表している。
また、日本酒度は-3.0となっており、甘みを感じやすい設計である一方、酸度2.0による輪郭と最後のキレによって、単調な甘口にならないよう仕上げられている。
「㐂津禰 白狐」のように稲荷信仰そのものを前面に出した日本酒とは異なり、「狐の祝宴」は狐の嫁入りや夜の森、姿を消す狐といった、日本の狐伝承が持つ幻想性を商品世界へ取り込んでいる。
狐を題材とした日本酒の中でも、特に「物語としての狐」を楽しめる一本である。
関連項目
- 西堀酒造
- KURAND
- 狐の嫁入り
- とちぎの星
- 純米吟醸
- 栃木県
- 日本酒
- 妖狐
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