こーだ・でぃ・ゔぉるぺ コーダ・ディ・ヴォルペ
Coda di Volpeは、イタリア南部のカンパニア州を中心に栽培されている白ワイン用品種である。 ナポリ周辺やサンニオ、イルピニアなどで古くから栽培されてきた土着品種の一つで、現在もカンパニアワインを構成する重要なブドウとして用いられている。 単一品種でワインが造られる場合もあれば、ファランギーナやグレコ、フィアーノなど、カンパニアを代表する他の白ブドウ品種とブレンドされることもある。
狐との関わり
「Coda di Volpe」は、イタリア語で「狐の尾」を意味する。
Codaは「尾」、Volpeは「狐」を意味し、ブドウの房の先端が細長く湾曲して垂れ下がる姿が、狐のふさふさとした尾に似ていることから、この名前が付けられたとされる。
つまり、キツネの絵柄やブランドイメージから付けられた名称ではなく、ブドウそのものの形状を狐の尾に見立てた名前である。
狐の身体的特徴がそのまま植物の名称になっているという点で、「キツネの名を持つ食品・料理」の中でも特に直接的な関係を持つ存在といえる。
歴史
コーダ・ディ・ヴォルペは非常に古い歴史を持つ品種で、古代ローマ時代まで遡るとされている。
古代ローマの博物学者プリニウスは『博物誌』第14巻の中で「caudas vulpium」と呼ばれるブドウについて記述しており、これが現在のコーダ・ディ・ヴォルペにつながるものと考えられている。
そのため、狐の尾に例えられたブドウという名称は、近年生まれたものではなく、約2000年前の古代ローマ時代にまで遡る可能性がある。
その後もカンパニア地方を中心に栽培され、特にサンニオやイルピニアなどで地域固有の白ブドウとして受け継がれてきた。
特徴
コーダ・ディ・ヴォルペから造られるワインは、比較的穏やかな酸味と柔らかな口当たりを持つものが多い。
一般的には、
・黄色い果実
・洋梨
・リンゴ
・柑橘類
・白い花
・ハーブ
などを思わせる香りを持つワインに仕上げられる。
単独で使用すると柔らかく丸みのあるワインになりやすく、他のカンパニア系白ブドウとブレンドすることで酸味や香り、骨格を補う使われ方もされている。
主な産地
主な産地はイタリア南部のカンパニア州である。
特に、
・サンニオ
・イルピニア
・ベネヴェント周辺
・ナポリ周辺
などで栽培されている。
カンパニア州には古代ギリシャ・ローマ時代から続くワイン文化があり、コーダ・ディ・ヴォルペもその長い歴史を伝える土着品種の一つとなっている。
カプレットーネとの違い
コーダ・ディ・ヴォルペを調べる際に注意したいのが、「カプレットーネ(Caprettone)」という別の白ブドウ品種である。
かつてはヴェスヴィオ周辺で栽培されるカプレットーネもコーダ・ディ・ヴォルペの一種、あるいは同じ品種だと考えられることがあった。
しかしDNA分析によって、カプレットーネとコーダ・ディ・ヴォルペは別の品種であり、近い血縁関係も確認されていないことが分かっている。
同様に、「コーダ・ディ・ペコラ」という品種もコーダ・ディ・ヴォルペとは別品種である。
豆知識
コーダ・ディ・ヴォルペの名前の由来である「狐の尾」は、ワインの味や色ではなく、ブドウの房の外見から付けられた名称である。
イタリアのブドウ品種には動物の身体的特徴を名前にしたものがあり、「Coda di Volpe」はその代表例の一つである。
また、古代ローマの記録にも狐の尾を意味する名称が登場することから、人々がブドウの房をキツネの尾に見立てる感覚が非常に古くから存在していたことが分かる。
「狐」という言葉が約2000年にわたってワイン文化の中に残されているという点でも、狐と酒の関係を知るうえで興味深い品種である。
関連項目
- カンパニアワイン
- イタリアワイン
- カプレットーネ
- コーダ・ディ・ペコラ
- ファランギーナ
- グレコ
- フィアーノ
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