ぐぐれ!こっくりさん 繰繰れ! コックリさん
遠藤ミドリによる漫画作品である。2011年から2016年まで『月刊ガンガンJOKER』で連載され、2014年にはテレビアニメ化もされた。 狐の物の怪・コックリさんと、自らを人形と称する少女・市松こひなが織りなす日常コメディである。都市伝説として知られる「こっくりさん」をモチーフにしながら、日本の狐伝承や妖怪文化を取り入れ、笑いと心温まるエピソードを交えて描いている。
あらすじ
感情表現に乏しく、自らを人形だと言い張る少女・市松こひなは、ある日、暇つぶしに「こっくりさん」を呼び出す儀式を行う。
現れたのは、金髪の青年の姿をした狐の物の怪・コックリさんだった。
本来なら人間を祟るはずだったコックリさんだが、こひなのあまりにも不健康で偏った生活を見かね、半ば強引に共同生活を始めることになる。
その後も、狗神の犬神や狸の信楽など、個性豊かな妖怪たちが次々と現れ、賑やかで騒がしい毎日が繰り広げられる。
キツネとの関わり
本作の中心となる狐キャラクターは、コックリさんである。
コックリさんは、狐の物の怪として強い霊力を持ちながら、人間の姿へ自由に変化できる能力を持つ。普段は美青年の姿をしているが、本来は美しい銀色の毛並みを持つ狐である。
真面目で世話焼きな性格をしており、食生活や生活習慣が乱れたこひなを放っておけず、まるで保護者のように面倒を見る姿が本作の大きな魅力となっている。
また、日本の「こっくりさん」は狐・狗・狸などの霊が降りる占いとして知られている。本作ではその由来を踏まえ、狐の物の怪としてコックリさんを描いている点も興味深い。
見どころ・魅力
本作の魅力は、テンポの良いギャグと個性豊かな妖怪たちによる掛け合いである。
コックリさんの常識人ぶりと、自由奔放なこひなとのやり取りは終始コミカルであり、笑いが絶えない作品となっている。
一方で、妖怪たちが抱える孤独や過去、人間との関わりなどが描かれる場面もあり、コメディだけではない温かな人間ドラマも楽しめる。
狐好きの視点では、コックリさんは従来の「人を化かす狐」というイメージとは異なり、料理や掃除をこなし、人間を心配して世話を焼く家庭的な妖狐として描かれている点が特徴的である。美しい狐姿や変化能力も随所で描かれ、妖狐としての魅力も十分に味わえる。
まとめ
『繰繰れ! コックリさん』は、遠藤ミドリによる、狐の物の怪・コックリさんと少女・市松こひなの共同生活を描いたコメディ漫画である。
都市伝説の「こっくりさん」と日本の狐伝承を巧みに融合させ、笑いと癒やし、時折切なさも感じられる物語が展開される。
狐を題材とした創作作品の中でも、世話焼きで家庭的な妖狐というユニークなキャラクターを描いた代表作であり、妖怪コメディが好きな読者はもちろん、狐好きにもおすすめできる一作である。