てんこのげんじゅつ/ほよ-みっくす 天狐の幻術/HOYO-MiX
「天狐の幻術」は、HoYoverseのオープンワールドRPG『原神』に登場するキャラクター・八重神子の実戦紹介映像で使用されたキャラクターテーマ曲である。HOYO-MiX名義で制作され、2023年1月10日に配信されたアルバム『原神-輝く星々Vol. 3 (Original Game Soundtrack)』に9曲目として収録された。楽曲時間は2分44秒である。 八重神子は稲妻の鳴神大社で宮司を務める、狐と深い関係を持つ人物である。本曲の題名にも「天狐」が明確に使用され、八重神子の実戦紹介映像では「天狐の幻術」が楽曲名としてクレジットされている。作曲・編曲は陳致逸(Yu-Peng Chen)@HOYO-MiXが担当した。 したがって、本作はタイトルだけに狐の字が使われた楽曲ではない。狐の姿・能力・伝承的な要素を持つ八重神子を象徴するキャラクターテーマであり、『原神』における狐関連音楽の中でも特に直接的な作品である。
基本情報
タイトル:天狐の幻術
アーティスト:HOYO-MiX
作曲・編曲:陳致逸(Yu-Peng Chen)@HOYO-MiX
使用作品:原神
関連キャラクター:八重神子
収録アルバム:原神-輝く星々Vol. 3 (Original Game Soundtrack)
アルバム発売日:2023年1月10日
収録順:9曲目
楽曲時間:2分44秒
形態:インストゥルメンタル/ゲーム・キャラクターテーマ
国:中国
Apple Musicでは『原神-輝く星々Vol. 3』が全26曲・45分のサウンドトラックとして配信され、「天狐の幻術」は9曲目に配置されている。
楽曲について
「天狐の幻術」は、八重神子のキャラクター実戦紹介映像のために用いられたインストゥルメンタル楽曲である。実戦紹介映像のクレジットでは、「狐宮司異聞録 / 天狐の幻術」として曲名が示され、作曲・編曲をYu-Peng Chen@HOYO-MiXが担当している。
歌詞は存在しないため、狐の物語を文章として語る楽曲ではない。
その代わり、
八重神子というキャラクター
鳴神大社の宮司
狐としての性質
雷元素の能力
人を翻弄するような振る舞い
といった要素を、音楽と映像によって表現するキャラクターテーマとなっている。
キツネとの関係
本作とキツネとの関係は非常に強い。
最も分かりやすいのが、曲名そのものにある「天狐」である。
さらに本曲は、狐と深く結び付く八重神子の実戦紹介曲として使用されている。八重神子の戦闘能力にも「天狐」という言葉が使われており、元素爆発では「天狐霆雷」が発生する。HoYoLAB上の『原神』関連公式投稿でも、八重神子の元素爆発において殺生櫻を解放し、天狐霆雷を降らせることが説明されている。
したがって、
タイトルの天狐
キャラクターの狐性
戦闘能力の天狐
実戦紹介映像
がすべて結び付いた楽曲である。
八重神子
「天狐の幻術」の中心となるキャラクターが八重神子である。
八重神子は、稲妻にある鳴神大社の宮司であり、同時に出版社「八重堂」にも関わる人物として『原神』に登場する。
彼女は狐と深く関係する存在であり、キャラクターを紹介する公式映像でも狐宮司としての性格が強く打ち出されている。八重神子の実戦紹介曲が「天狐の幻術」と命名されていること自体、その狐性がキャラクターの中核であることを示している。
「天狐」とは
「天狐」は、日本や東アジアの狐伝承で使用されることのある言葉である。
日本の妖狐文化では、長い年月を経て力を得た狐を霊的な存在として分類する考え方があり、その中で「天狐」は高位の狐を示す名称として語られることがある。
『原神』でも「天狐」という語を八重神子の能力や楽曲名へ採用することで、単なる動物としての狐ではなく、
霊的な狐
高位の狐
神秘的な狐
といった印象を強めている。
ただし、『原神』内の「天狐」が日本民俗における特定の妖狐階級をそのまま再現しているとする公式説明は確認できないため、現実の伝承と完全に同一視することは避けるべきである。
「幻術」
タイトル後半は「幻術」である。
狐は日本の昔話や伝承において、人間を化かしたり、姿を変えたり、幻を見せたりする存在として数多く語られてきた。
そのため、
天狐
+
幻術
という題名は、妖狐文化との親和性が非常に高い。
八重神子自身も、真正面から力だけで押し切る人物というより、言葉や策略で周囲を翻弄する性格として描かれている。
そのため「幻術」という語は、狐の伝承的能力だけでなく、八重神子のつかみどころのない人物像にもよく合う。
ただし、本曲のタイトルにおける「幻術」が特定の民話・伝承を直接指しているという公式解説は確認できない。
英語題「Nothing but Trickery」
八重神子の実戦紹介曲には、英語圏で「Nothing but Trickery」という表記も確認できる。実戦紹介曲を扱った動画などでも、「天狐の幻術 / Nothing but Trickery」と対応付けられている。
「trickery」は、
策略
ごまかし
人を欺く行為
などを意味する言葉である。
これは日本語タイトルの「幻術」を単純に「illusion」と訳すのではなく、「相手を翻弄する」「化かす」といった狐らしいニュアンスを強く持つ表現である。
そのため日本語題と英語題の両方から、
狐の幻術
狐の策略
人を化かす性質
という八重神子のイメージを読み取ることができる。
「狐宮司異聞録」
八重神子の実戦紹介映像には、「狐宮司異聞録」という名称も関連付けられている。実戦紹介曲のクレジットでは「狐宮司異聞録 / 天狐の幻術」と表記されている。
ここでも「狐」という言葉が明確に使用されている。
「宮司」は神社における神職の役職。
「狐宮司」は、鳴神大社の宮司でありながら狐でもある八重神子を表す呼称として非常に分かりやすい。
そこに「異聞録」という言葉を付けることで、
普通ではない宮司
不思議な狐の宮司
彼女にまつわる奇妙な話
という物語性が生まれている。
実戦紹介映像そのものが、八重神子の狐性を前面に出した作品なのである。
鳴神大社
八重神子が宮司を務めるのが、稲妻にある鳴神大社である。
鳴神大社は『原神』世界に存在する架空の神社であり、稲妻の信仰において重要な場所として描かれる。
神社と狐という組み合わせは、日本では稲荷信仰を強く連想させる。
実際、日本の稲荷神社では狐像が置かれることが多く、狐は稲荷神の眷属・使いとして広く知られている。
そのため、
神社
宮司
狐
という八重神子の設定には、日本の狐文化を強く想起させる要素が含まれている。
ただし、鳴神大社が伏見稲荷大社など特定の神社をそのまま再現したものと断定することはできない。
殺生櫻
八重神子の戦闘能力には「殺生櫻」という名前が登場する。
戦闘中に設置された殺生櫻は周囲の敵へ雷元素攻撃を行い、元素爆発を使用すると、それらを解放して「天狐霆雷」へと変化させる。HoYoLABの公式系解説でも、八重神子が周囲の殺生櫻を解放して天狐霆雷を降らせることが説明されている。
つまり八重神子の戦闘能力には、
殺生櫻
天狐
雷
という言葉が組み合わされている。
「天狐の幻術」は、この戦闘スタイルを紹介する映像に使用された楽曲である。
「殺生櫻」と殺生石
「殺生櫻」という名称は、日本の九尾の狐・玉藻前伝説で知られる「殺生石」を連想させる。
玉藻前は九尾の狐と結び付けられる伝説上の存在で、討伐後にその怨念が「殺生石」となったという物語がよく知られている。
八重神子の能力名では、その「殺生石」ではなく「殺生櫻」という名称が用いられている。
狐キャラクターである八重神子に、
天狐
殺生櫻
という名称が並ぶことから、日本の妖狐文化を連想しやすい構成になっている。
ただしHoYoverseが「殺生櫻は玉藻前の殺生石を直接元ネタにした」と公式に明言した資料は今回確認できなかったため、これは名称上の強い連想として扱うべきである。
「天狐霆雷」
八重神子の元素爆発では、「天狐霆雷」が重要な役割を持つ。
周囲に存在する殺生櫻を解放すると、それぞれが天狐霆雷となって雷元素ダメージを与える。
「霆雷」は激しい雷を意味する語である。
つまり「天狐霆雷」は、
天狐
+
雷
を組み合わせた能力名である。
八重神子は雷元素を扱うキャラクターであるため、狐というキャラクター性と雷元素が能力名の中で融合している。
「天狐の幻術」という楽曲も、こうした八重神子固有の狐+雷というイメージを音楽面から支えている。
狐と雷
狐は日本の伝承では狐火と結び付くことが多く、「火」のイメージを持つ。
一方、八重神子の場合は雷元素のキャラクターである。
そのため『原神』では、
狐
+
雷
という独自の組み合わせが作られている。
天狐が雷を落とす。
狐宮司が雷元素を操る。
狐の幻術とともに敵を翻弄する。
古典的な妖狐の能力をそのまま再現するのではなく、『原神』の元素システムに合わせて雷を扱う狐キャラクターへ再構成したものと見ることができる。
八重神子の狐らしい性格
八重神子と狐との関係は、外見や能力名だけではない。
彼女は非常に頭の回転が速く、人をからかったり、相手の反応を楽しんだりする人物として描かれる。
日本の昔話における狐も、
人間を化かす
相手を出し抜く
いたずらをする
本心が分からない
といった性格を与えられることが多い。
八重神子も、こうした伝承上の狐像を思わせる人物である。
そのため「幻術」という楽曲名は、戦闘能力だけでなく、八重神子という人物そのものの「相手を手玉に取る狐らしさ」を想起させる。
狐の姿
『原神』の八重神子は、単に狐耳風の装飾を持つ人間というだけではなく、狐そのものとの結び付きが物語上でも示されている。
HoYoLAB上でも、過去の八重神子について「狐の姿」と表現する投稿が確認できる。
そのため狐はファッション上のモチーフではなく、八重神子の存在そのものに関係する要素である。
「天狐の幻術」は、まさにその狐としての側面を曲名にしたテーマ曲となっている。
キャラクター実戦紹介
「天狐の幻術」が特に強く八重神子と結び付いている理由は、キャラクター実戦紹介映像で使用されたことにある。
『原神』では、新キャラクターの実装に合わせて「キャラクター実戦紹介」と呼ばれるPVが公開される。
そこでは、
キャラクターの外見
戦闘能力
性格
世界観
アニメーション
などを、専用の音楽とともに紹介する。
八重神子の実戦紹介でも、狐宮司としての妖艶さや戦闘能力が映像化され、その音楽として「天狐の幻術」が使用された。楽曲クレジットも映像側で明記されている。
そのため本曲は、単なるゲーム中の汎用BGMではなく、八重神子というキャラクターを象徴するための音楽である。
『原神-輝く星々Vol. 3』
「天狐の幻術」は、2023年1月10日に配信された『原神-輝く星々Vol. 3 (Original Game Soundtrack)』に収録された。
アルバムは全26曲で構成されている。
収録順は、
- 腕の見せ所
- 俺様に注目だぁ!
- 犬将計略
- 霞裳飄々
- 白き羽根を隠して
- 清唳の響き
- 快意なる新章
- 神通変化
- 天狐の幻術
- 秘めたる思い
- 流水盈盈
- 疎にして失わず
- 慈雨の麗姿
- 疾霆才捷
- 疾風追跡
- 遥夜のラグジュアリー
- アビディアを巡る風
- 移り気な葉っぱたち
- 毎度ありですわ!
- 九弓の絃楽
- 緘秘の戒律
- 赤砂の賜玉
- 七域の蓮華
- 今宵、星の旅路へ
- 深き夢の祝福
- スラサタンナ幻想曲
となっている。
「天狐の幻術」は9曲目で、八重神子を代表するキャラクターテーマとして収録されている。
HOYO-MiX
HOYO-MiXは、HoYoverse作品の音楽制作を担う音楽チーム・ブランドである。
『原神』では地域BGM、戦闘曲、イベント曲、キャラクターテーマなど多数の楽曲を制作している。
『原神-輝く星々Vol. 3』でも、アルバムのアーティストおよび作曲者としてHOYO-MiXがクレジットされている。
「天狐の幻術」については、八重神子の実戦紹介映像で陳致逸(Yu-Peng Chen)@HOYO-MiXが作曲・編曲者として明示されている。
狐関連楽曲としての位置付け
「天狐の幻術」は、狐との関係が極めて強いゲーム音楽である。
タイトルに「天狐」。
使用キャラクターは狐と深く結び付く八重神子。
実戦紹介には「狐宮司」という表現。
能力には「天狐霆雷」。
さらに「殺生櫻」など妖狐伝承を連想させる名称も存在する。
そのため本作は、
狐という単語を偶然タイトルに含む曲
ではなく、
「狐キャラクター・八重神子の狐としての個性を音楽化したキャラクターテーマ」
と位置付けることができる。
現実のキツネを描いた作品ではないが、日本の天狐・妖狐・変化・幻術といった文化的イメージを取り込みながら、『原神』独自の雷元素や鳴神大社の設定と融合させた狐関連ゲーム音楽である。