すたーふぉっくす スターフォックス
任天堂が展開するSFシューティングゲームシリーズである。 シリーズの中心人物は、狐の姿をしたフォックス・マクラウド。雇われ遊撃隊「スターフォックス」のリーダーとして仲間たちを率い、戦闘機「アーウィン」などを操って宇宙を脅かす敵と戦う。 シリーズ第1作『スターフォックス』は、1993年2月21日にスーパーファミコン用ソフトとして発売された。ポリゴンで構築された3D空間を戦闘機で飛びながら敵を撃破していくシューティングゲームで、当時としては特徴的な3D表現を採用していた。 その後もニンテンドウ64、ニンテンドーゲームキューブ、ニンテンドーDS、Wii Uなどで作品が展開され、2026年6月25日にはNintendo Switch 2向け『Star Fox』も発売されている。
ゲーム概要
『スターフォックス』シリーズでは、惑星コーネリアなどが存在する「ライラット系」を主な舞台として、フォックス・マクラウド率いる雇われ遊撃隊スターフォックスの戦いが描かれる。
代表的な作品では、プレイヤーはフォックスとなって超高性能全領域戦闘機「アーウィン」に搭乗し、宇宙空間や惑星上を進みながら敵部隊を撃破していく。
シリーズを代表する敵が、天才科学者Dr.アンドルフである。アンドルフの軍勢によってライラット系が危機に陥り、フォックスたちはコーネリア防衛軍などから依頼を受けて戦いに参加する。
作品によってゲームシステムは異なり、シューティングを中心とした作品だけでなく、『スターフォックスアドベンチャー』のようにフォックス自身が地上を探索して戦うアクションアドベンチャーも存在する。
スターフォックス
「スターフォックス」は作品名であると同時に、フォックスたちが所属する雇われ遊撃隊の名称でもある。
主要メンバーとして登場するのは、
フォックス・マクラウド
ファルコ・ランバルディ
ペッピー・ヘア
スリッピー・トード
などである。
フォックスがリーダーを務め、仲間たちは戦闘中にフォックスを援護したり、敵やルートについて情報を与えたりする。
シリーズによってメンバー構成は変化し、『スターフォックスアドベンチャー』で登場したクリスタルも、後の作品ではスターフォックスに関わる重要人物となっていく。
フォックス・マクラウド
本シリーズにおいて最も重要な狐キャラクターであり、シリーズを代表する主人公である。
二足歩行する擬人化された狐の姿をしており、茶色から橙色系の毛並み、白い口元、狐らしい大きな耳や尻尾を持つ。
雇われ遊撃隊スターフォックスのリーダーであり、特にアーウィンの操縦能力に優れたパイロットとして描かれている。
初代『スターフォックス』では、若いチームリーダーとしてファルコ、ペッピー、スリッピーとともにアンドルフとの戦いに挑む。
『スターフォックス64』以降では、フォックスの父ジェームズ・マクラウドとスターフォックスの過去も物語上で重要になる。
ジェームズはかつてスターフォックスを率いていた人物であり、アンドルフの調査任務へ向かった際、仲間であったピグマの裏切りによって消息を絶った。
その後、ジェームズの息子であるフォックスが新たなスターフォックスを率いることになり、父と同じパイロットとしてライラット系を守るために戦う。
2026年版『Star Fox』でも、フォックスはジェームズの息子であり、新生スターフォックスのリーダーとして設定されている。
フォックスと「狐」
フォックス・マクラウドは、人間に狐耳や尻尾を付けただけのキャラクターではなく、全身が狐を思わせる姿をした擬人化動物として描かれている。
シリーズの世界では、狐だけでなく鳥、蛙、兎、狼、豚など、さまざまな動物をモデルとしたキャラクターが生活している。
そのため「狐だから特殊な力を持っている」といった妖狐的な設定ではない。フォックスの能力は基本的にパイロットや戦士としての技量によるものであり、狐火や変身など、日本の妖狐伝承を思わせる能力を使用するわけではない。
それでも、大きな三角形の耳、口吻、毛並み、尻尾といった狐らしい外見が明確に取り入れられており、ゲームに登場する狐キャラクターを代表する存在の一人と言える。
タイトル自体にも「Fox」という名称が使われているため、狐が単なる脇役として登場するゲームとは異なり、シリーズの顔そのものが狐という非常に狐との関係が深い作品である。
ジェームズ・マクラウド
フォックスの父親であり、かつてのスターフォックスのリーダー。
フォックスと同じく狐の姿をしたキャラクターである。
アンドルフの動きを調査するため、ペッピー・ヘア、ピグマ・デンガーとともに惑星ベノムへ向かったが、ピグマの裏切りによって窮地に陥り、その後消息不明となる。
この事件はフォックスがスターフォックスを率いる背景と深く結びついており、フォックスというキャラクターを理解するうえでも重要である。
2026年版『Star Fox』でも、ジェームズが初代スターフォックスのリーダーであり、フォックスがその息子であるという関係が明示されている。
クリスタル
『スターフォックスアドベンチャー』から登場する女性キャラクター。
青い毛並みを持った、フォックスと同様に動物を擬人化した姿をしている。
『スターフォックスアドベンチャー』では、ダイナソープラネットから発せられた謎のSOSを察知し、その発信源を調査する過程で事件に巻き込まれる。
フォックスはダイナソープラネットで彼女に関係する事件にも関わりながら冒険を進めていく。
後の『スターフォックス アサルト』や『スターフォックス コマンド』にも登場する重要キャラクターである。
特に『スターフォックス コマンド』では、元スターフォックスのメンバーであり、フォックスとの関係も物語上の重要な要素として扱われている。
そのため、シリーズに登場する狐としてはフォックス、ジェームズと並んで特に重要な存在である。
シリーズ作品
スターフォックス
発売日:1993年2月21日
対応機種:スーパーファミコン
ジャンル:3Dシューティング
シリーズ第1作。
フォックス・マクラウド、ファルコ、ペッピー、スリッピーによるスターフォックスが、アンドルフの野望を阻止するために出撃する。
フォックスがシリーズの主人公として初登場した作品であり、「狐の宇宙戦闘機パイロット」というシリーズを象徴するキャラクター像がここから始まった。
スターフォックス2
対応機種:スーパーファミコン
正式収録:2017年「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」
初代『スターフォックス』の続編として開発されていた作品。
当初は完成に近い状態まで開発されたものの市販されず、長期間「幻の作品」として知られていた。
2017年に発売された「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」へ収録され、初めて正式に遊べる作品となった。
フォックスをはじめとするスターフォックスのメンバーが登場する。
スターフォックス64
発売日:1997年4月27日
対応機種:NINTENDO 64
ジャンル:3Dシューティング
シリーズを代表する作品の一つ。
ライラット系を侵略するアンドルフ軍を倒すため、フォックス率いるスターフォックスがコーネリアから惑星ベノムを目指す。
フォックス、ファルコ、ペッピー、スリッピーの4人が戦闘へ参加し、プレイヤーはフォックスとしてアーウィンを操縦する。
ステージ中の行動によって進行ルートが分岐することも特徴で、父ジェームズ・マクラウドに関する物語もフォックスを語るうえで重要な要素となっている。
スターフォックスアドベンチャー
発売日:2002年9月27日
対応機種:ニンテンドーゲームキューブ
ジャンル:アクションアドベンチャー
シューティング中心だったシリーズから大きくゲーム性を変えた作品。
フォックス自身がダイナソープラネットへ降り立ち、地上を歩き回りながら探索や戦闘を行う。
フォックスはクリスタルスタッフを武器として使用し、敵との戦闘や謎解きを行うほか、アーウィンに乗ったシューティング場面も存在する。
狐好きという観点では、シリーズ中でも特に注目度が高い作品である。
通常のシューティング作品ではフォックスの姿を見る機会は主に通信画面などに限られるが、本作ではフォックス自身を三人称視点で操作し、走る、戦う、探索するといった行動を長時間見ることができる。
また、クリスタルが初登場した作品でもある。
スターフォックス アサルト
発売年:2005年
対応機種:ニンテンドーゲームキューブ
ジャンル:シューティング
アーウィンによる空中戦だけでなく、ランドマスターによる地上戦や、フォックス自身を操作する戦闘も取り入れられた作品である。
フォックスは再びスターフォックスのリーダーとして戦い、ファルコやスリッピー、ペッピーらも登場する。
敵との戦闘では、宇宙船に乗るだけでなく、フォックス本人が武器を手にして地上を戦う場面がある。
フォックス自身を操作できるという意味では、『スターフォックスアドベンチャー』と並んで狐キャラクターを直接動かして楽しめる作品である。
クリスタルもスターフォックスの一員として登場する。
スターフォックス コマンド
発売年:2006年
対応機種:ニンテンドーDS
ジャンル:戦略&3Dシューティング
アンドルフとの戦いから数年後、惑星ベノムから現れたアングラー軍による侵略を描いた作品。
戦略マップ上で飛行ルートを描き、敵と接触すると3Dシューティングによる戦闘へ移行するというシステムを採用している。
物語開始時点では、かつてのスターフォックスの仲間たちはそれぞれ別の道を歩んでおり、フォックスとナビゲーションロボットのナウスだけが残っている。
クリスタルも元スターフォックスのメンバーとして登場し、フォックスとの関係が大きく取り上げられる。
複数のストーリー展開が存在するため、フォックスとクリスタルの関係についても展開によって異なる姿を見ることができる。
スターフォックス64 3D
発売日:2011年7月14日
対応機種:ニンテンドー3DS
ジャンル:3Dシューティング
『スターフォックス64』をニンテンドー3DS向けにリメイクした作品。
基本的な物語やフォックスたちの立場は『スターフォックス64』を引き継いでいるため、新しい狐キャラクターを中心とした作品というより、フォックスの代表作を新しいハードで再構築したタイトルである。
スターフォックス ゼロ
発売日:2016年4月21日
対応機種:Wii U
ジャンル:3Dシューティング
フォックス、ファルコ、ペッピー、スリッピーによるスターフォックスとアンドルフ軍との戦いを、Wii U向けの新しいゲームシステムで描いた作品。
『スターフォックス64』を土台としながら再構成された内容となっており、単純な続編ではない。
アーウィンは地上を歩行できる「ウォーカー」へ変形できるようになっており、フォックスは複数の機体を使いながら戦う。
Star Fox
発売日:2026年6月25日
対応機種:Nintendo Switch 2
ジャンル:シューティング
Nintendo Switch 2向けに発売されたシリーズ作品。
『スターフォックス64』の物語を基礎とした作品で、フォックス・マクラウド率いる新生スターフォックスとアンドルフ軍の戦いを描いている。
物語では、フォックスの父ジェームズが率いていた旧スターフォックスがアンドルフの調査へ向かい、ピグマの裏切りによってジェームズが消息を絶った出来事も描かれる。
その5年後、アンドルフ軍の侵略がコーネリアへ迫り、フォックス・マクラウド率いる新生スターフォックスがライラット系奪還へ出撃する。
アーウィンによるシューティングを中心に、ステージ内での行動によるルート分岐など、『スターフォックス64』を象徴する要素が取り入れられている。
関連作品
スターフォックス ガード
発売日:2016年4月21日
対応機種:Wii U
『スターフォックス ゼロ』と同時期に展開された関連作品。
プレイヤーは複数の監視カメラを切り替えながら、スリッピー・トードの叔父であるグリッピー・トードの採掘基地をロボットから守る。
スターフォックスシリーズの名称を持つ作品ではあるものの、フォックス・マクラウドを操作して冒険する本編作品とは性格が大きく異なる。
そのため「狐が登場するゲーム」という観点では、シリーズ本編とは分けて関連作品として扱うのが分かりやすい。
狐との関係性
『スターフォックス』シリーズは、ゲームに狐キャラクターが登場するというだけでなく、「狐のキャラクターそのものをシリーズの主人公とした作品」である。
中心人物のフォックス・マクラウドは、シリーズ第1作から長年にわたって主人公を務めている。
さらに父親であるジェームズ・マクラウドや、『スターフォックスアドベンチャー』から登場するクリスタルなど、フォックス以外にも狐型の重要キャラクターが存在する。
一方で、作品世界において狐が神聖な動物として扱われたり、日本の妖狐や稲荷信仰と結びついたりするわけではない。
本シリーズにおける狐は、「狐という動物をモチーフとしたSF世界の人物」として描かれている。
宇宙戦闘機を操る狐という独特の組み合わせと、フォックス・マクラウドという長年シリーズの顔を務めるキャラクターの存在によって、狐が登場するゲーム作品の中でも非常に代表的なシリーズの一つである。
狐好きから見たスターフォックス
狐を目的にゲームを探している場合、『スターフォックス』シリーズは非常に分かりやすい選択肢である。
主人公の名前からして「Fox」であり、その姿も明確に狐をモチーフとしているため、「登場人物の中に狐が一人いる」という程度ではない。
特に狐そのものを操作して楽しみたい場合は、『スターフォックスアドベンチャー』が特徴的である。戦闘機に乗っている時間が中心となる他作品とは異なり、フォックス本人を操作して広いフィールドを探索できる。
『スターフォックス アサルト』でも地上戦ではフォックス本人を操作する機会がある。
一方、『スターフォックス』『スターフォックス64』『スターフォックス ゼロ』『Star Fox』などでは、狐であるフォックスが宇宙戦闘機のパイロットとして活躍する姿がシリーズの中心となっている。
「狐そのものを眺めたり動かしたりしたい」という楽しみ方と、「狐の主人公が活躍する物語を楽しみたい」という楽しみ方の両方ができるシリーズである。