ふぉくしー れでぃ/ざ じみ へんどりっくす えくすぺりえんす Foxy Lady/The Jimi Hendrix Experience
「Foxy Lady」は、The Jimi Hendrix Experienceが1967年に発表したロック楽曲である。 Jimi Hendrixが作詞・作曲し、The Jimi Hendrix Experienceのデビューアルバム『Are You Experienced』に収録された。オリジナルUK盤では1曲目に配置され、1967年5月12日に発売された。公式Jimi Hendrixサイトでは、楽曲の主要録音が1966年12月13日にロンドンのCBS Studiosで行われ、Chas Chandlerがプロデュース、Mike Rossがエンジニアを担当したことが確認できる。 北米ではタイトルが「Foxey Lady」と綴られることもあり、公式Jimi Hendrixサイトも「FOXY LADY (“Foxey Lady” in North America)」と区別している。 本曲の“foxy”は動物としての狐を描いたものではない。 歌詞では、語り手が魅力的な女性に強く惹かれ、その人物を“foxy lady”と呼んでいる。英語の“foxy”には、人物に対して「魅力的な」「色気のある」といった意味で用いる俗語的な用法があり、本曲はその代表的な使用例の一つといえる。
基本情報
曲名:Foxy Lady
北米表記:Foxey Lady
アーティスト:The Jimi Hendrix Experience
歌唱:Jimi Hendrix
作詞・作曲:Jimi Hendrix
プロデュース:Chas Chandler
エンジニア:Mike Rossほか
主な演奏:
Jimi Hendrix:エレクトリックギター、リードボーカル
Noel Redding:ベース、バッキングボーカル
Mitch Mitchell:ドラム、バッキングボーカル
収録アルバム:『Are You Experienced』
UK盤曲順:1曲目
アルバム発売日:1967年5月12日
主要録音日:1966年12月13日
主要録音場所:CBS Studios、ロンドン
追加作業:1967年2月8日、Olympic Studios
ジャンル:ロック、サイケデリック・ロック、ハードロック系
国:イギリス/アメリカ
MusicBrainzでは、Jimi Hendrixを作詞・作曲者、Jimi Hendrixをギターとリードボーカル、Noel Reddingをベース、Mitch Mitchellをドラムとしてクレジットしている。
録音について
「Foxy Lady」の主要録音は1966年12月13日にロンドンのCBS Studiosで行われた。
Jimi Hendrix公式サイトによれば、この日は楽曲のベーシックトラックを録音し、その後Jimi Hendrixのリードボーカル、追加ギター、バッキングボーカルなどをオーバーダビングした。
エンジニアのMike Rossは、Hendrixが4台のMarshallキャビネットを持ち込んだことに驚き、Hendrix自身からマイク位置を指示されたと回想している。
その後、1967年2月8日にOlympic Studiosで追加作業が行われ、音質改善のためのボーカルや演奏のオーバーダブが加えられた。
したがって、単純に「1966年12月13日に完成した」とするより、
「1966年12月13日に主要録音、1967年2月8日に追加作業」
と整理するのが正確である。
楽曲について
「Foxy Lady」は、Jimi Hendrixの強く歪んだギターリフと、Mitch Mitchellの力強いドラムを中心とした楽曲である。
曲の冒頭から特徴的なギターフィードバックとコードが鳴り、その後、重く反復するリフへ移行する。
歌詞の内容は非常に直接的である。
語り手は一人の女性を見つけ、その人物に強く惹かれる。
そして、
魅力的である
自分のものになってほしい
一緒にいたい
という欲望を、繰り返し“foxy lady”と呼びかけながら表現する。
Jimi Hendrix公式YouTubeのライブ映像でも、サビ部分では“foxy lady”という呼びかけが繰り返されている。
そのため、複雑な物語を展開する作品というより、
「魅力的な女性への強い欲望と惹かれ方」
をギターリフと短い歌詞で押し出した楽曲である。
タイトル「Foxy Lady」
“foxy”は、英語の“fox=狐”から派生した形容詞である。
本来は、
狐のような
狐に似た
という意味を持つが、人間について使用する場合には、
魅力的な
色気のある
セクシーな
といった意味で使われることがある。
本曲では明らかにこの人物表現として使われている。
歌詞の相手は実在の狐ではなく、人間の女性である。
したがって、
「狐の女性」
「女性に化けた狐」
「妖狐」
を意味するわけではない。
日本語の感覚では「女狐」という言葉を連想しやすいが、それとも完全には同じではない。
日本語の「女狐」は、
狡猾
人を騙す
妖艶で信用できない
といった否定的ニュアンスを持つ場合が多い。
一方、“foxy lady”は基本的に相手の魅力や色気を褒める表現として使われている。
キツネとの関係
本曲における狐との関係は、
「狐から派生した英語表現“foxy”を、人間の魅力を表す言葉として使用した楽曲」
に分類できる。
実在する狐は登場しない。
また、
狐の生態
狐狩り
狐の親子
妖狐
九尾の狐
白狐
狐神
稲荷信仰
狐面
狐火
などとの関係もない。
つまり、本曲における狐は「動物としてのモチーフ」ではなく、「英語表現の語源」として関係している。
そのため狐関連性は、
「実際に狐を描いた曲」
よりは弱い。
一方、タイトルとサビの両方で“foxy”が繰り返されるため、単にタイトルへ狐由来の単語を置いただけの作品でもない。
最も正確な分類は、
「人物をfoxyと表現する狐由来の俗語を中心にした楽曲」
である。
「foxy」と狡猾さ
狐には西洋文化でも、
狡猾
抜け目がない
賢い
といったイメージがある。
“foxy”という英単語にも、文脈によっては「狡猾な」「抜け目のない」といった意味が存在する。
しかし「Foxy Lady」の場合、その意味が中心とは考えにくい。
歌詞では相手について、
魅力的である
強く惹かれる
自分のものにしたい
といった内容が歌われている。
相手が策略を用いる、語り手を騙す、人を化かすといった描写はない。
したがって、
「狡猾な女性を狐に例えた曲」
と分類するのは適切ではない。
本曲では“foxy”の「魅力的」「セクシー」という俗語的な意味が前面に出ている。
誰が「Foxy Lady」なのか
「Foxy Lady」が具体的に誰をモデルにしたのかについては、断定できない。
The Guardianは2015年の記事で、Jimi Hendrixと親しい関係にあったLithofayne Pridgonがモデルだった可能性を論じている。Pridgon自身は、Hendrixが魅力的な女性に対して“foxy”という言葉をよく使っていたと証言している。
特に興味深いのは、PridgonによればHendrixが、
見た目の良い女性を“foxy”と呼ぶ
服装が魅力的なときに“you look foxy”と表現する
習慣を持っていたという点である。
これは、本曲の“foxy”が狐そのものではなく「魅力的な人物」という意味で使われていることを理解するうえで参考になる。
一方、The Guardianの記事自体も、Hendrix本人は「Foxy Lady」が誰についての曲なのか語っていないと指摘している。
そのため、
「Lithofayne Pridgonをモデルにした曲」
と事実として断定することはできない。
より正確には、
「Lithofayne Pridgonが着想源だった可能性が指摘されているが、Jimi Hendrix本人による明言はない」
とするべきである。
「Foxey Lady」という綴り
本曲には、
Foxy Lady
Foxey Lady
という二つの表記が存在する。
Jimi Hendrix公式サイトによれば、イギリスでは「Foxy Lady」、北米では「Foxey Lady」として表記された。
現在のベスト盤や配信では「Foxy Lady」表記が使われる場合も多い。
そのため、別曲ではなく、同一楽曲の表記揺れとして扱う必要がある。
「Foxey」は一般的な英単語の標準綴りではなく、この楽曲タイトルで使われる独自表記に近い。
『Are You Experienced』について
「Foxy Lady」はThe Jimi Hendrix Experienceのデビューアルバム『Are You Experienced』に収録された。
オリジナルUK盤では、
- Foxy Lady
- Manic Depression
- Red House
- Can You See Me
- Love or Confusion
- I Don't Live Today
- May This Be Love
- Fire
- Third Stone from the Sun
- Remember
- Are You Experienced?
という曲順で、「Foxy Lady」がアルバム冒頭を飾った。
一方、アメリカ盤は収録曲と曲順が変更され、「Purple Haze」「Hey Joe」「The Wind Cries Mary」などのシングル曲が組み込まれた。
そのため、どの国の盤を基準にするかによって「Foxy Lady」の曲順は異なる。
「初出のUKオリジナル盤では1曲目」とするのが分かりやすい。
シングルについて
「Foxy Lady」はアルバム収録後、複数の国でシングルとしても発売された。
北米では「Foxey Lady」表記で発売され、B面には「Hey Joe」が収録された盤が存在する。
また、フランス、ドイツ、日本などでも異なるB面曲との組み合わせで発売された。
そのため本曲は、
「アルバム『Are You Experienced』の収録曲」
であると同時に、
「各国でシングル展開された楽曲」
でもある。
ただし国によって発売日やB面、表記が異なるため、単一の「世界共通シングル発売日」として整理するのは難しい。
The Jimi Hendrix Experienceについて
The Jimi Hendrix Experienceは、
Jimi Hendrix
Noel Redding
Mitch Mitchell
によって構成されたロックトリオである。
「Foxy Lady」の録音でも、
Jimi Hendrix:ギター、リードボーカル
Noel Redding:ベース、バッキングボーカル
Mitch Mitchell:ドラム、バッキングボーカル
という基本編成が確認できる。
Jimi Hendrixの革新的なエレクトリックギター、Mitch Mitchellのジャズ的なドラム、Noel Reddingのベースによる強力なトリオサウンドは、1960年代後半のロックに大きな影響を与えた。
「Foxy Lady」は、その初期サウンドを代表する楽曲の一つである。
ライブ演奏について
「Foxy Lady」はThe Jimi Hendrix Experienceのライブでも頻繁に演奏された。
Jimi Hendrix公式YouTubeでは、
1968年のMiami Pop Festival
1970年のMaui公演
などの公式ライブ映像が公開されている。
ライブではスタジオ版以上にギター演奏が拡張され、Hendrixの即興性やフィードバックを活用した演奏を聴くことができる。
そのため本曲は単なるアルバム収録曲ではなく、Hendrixのライブレパートリーとしても重要な作品である。
狐関連楽曲としての位置付け
「Foxy Lady」は、「ふぉくすなっ♪」においては狐との関係が比較的限定的な作品として整理するのが適切である。
タイトルには狐由来の“Foxy”という言葉が使われ、歌詞でも繰り返し登場する。
しかし、
実在する狐
擬人化された狐
妖狐
狐伝承
狐の生態
は一切登場しない。
ここでの“foxy”は、
「魅力的な」
「セクシーな」
という人物表現である。
したがって分類すると、
「狐由来の英語表現を人間に用いた楽曲」
「魅力的な女性を“foxy lady”と呼ぶ楽曲」
となる。
また、Jimi Hendrixが日常的に魅力的な女性へ“foxy”という表現を使っていたという証言も残っているため、この語が動物の狐そのものを意味するものではないことはかなり明確である。
一方で、この“foxy”という言葉自体は“fox”から派生している。
そのため「ふぉくすなっ♪」では、
「狐そのものを描いた作品」
とは明確に分けたうえで、
「狐という動物名から派生した英語の人物表現が、ロック音楽の中で使われた代表例」
として掲載する価値のある作品である。