<コラム>キツネの生態
キツネの生態について
キツネはイヌ科に属する野生動物で、優れた適応能力を持っている。
世界には20種以上のキツネが生息し、森林、草原、砂漠、ツンドラ、さらには都市部まで幅広い環境で暮らしている。
キツネは哺乳綱・食肉目・イヌ科に属する中型の哺乳類である。
犬の仲間だが、体は細く、長い脚と大きな耳、ふさふさとした尾が特徴。
種類によって大きさは異なるが、体長は40〜90cm、尾は30〜60cmほどになるものが多く、体重は1kgほどのフェネックギツネから10kg近いアカギツネまでさまざま存在する。
生息地
キツネは非常に適応能力が高く、世界中のさまざまな環境に生息している。
代表的な環境として下記がある。
・森林
・草原
・湿原
・山岳地帯
・砂漠
・ツンドラ
・農村
・都市部
例えば、
フェネックギツネはサハラ砂漠に
ホッキョクギツネは北極圏に
アカギツネはユーラシア・北アメリカに
ベンガルギツネはインドの乾燥地帯に
など、それぞれ異なる環境へ適応している。
活動時間
多くのキツネは薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)である。
そのため、夜明け前や夕方、夜に最も活発になります。
ただし、人の少ない地域では昼間も活動したり、都市部では夜行性が強くなるなど生活環境によっても変化が見られる。
食性
キツネは典型的な雑食性である。
主な食べ物は下記のように幅広い。
・ネズミ
・ウサギ
・鳥
・昆虫
・カエル
・魚
・ミミズ
・果実
・木の実
・ベリー類
・死肉
その土地で最も手に入りやすい食べ物を利用するため、生息地によっても食生活が大きく異なる。
狩りの方法
キツネはウサギやネズミなど小動物を狩るハンターである。
特に有名な狩りの方法としてマウシング(Mousing)と呼ばれる狩りを行う。
マウシングは、雪や草の下にいるネズミの位置を耳で性正確に判断し、真上へ大きくジャンプして頭から飛び込むように捕まえる。
雪や草の多い地域に住むホッキョクギツネやアカギツネではよく見られる行動である。
マウシングで位置を判断する方法として、耳だけではなく微弱な磁場を検知しているのではないかともいわれている。
聴覚
キツネは非常に耳が良いことで知られている。
地面の下を歩くネズミや、雪の下を移動する小動物の音まで聞き取れるとされている。
また、大きな耳は音を集めるだけでなく、体温調節にも役立っている。
特にフェネックギツネの耳は体に比べて非常に大きく、砂漠のような高温地帯で熱を逃がす役割がある。
嗅覚
キツネは嗅覚も非常に優れている。
キツネには「キツネ臭」と呼ばれる独特のニオイを放つ臭腺をいくつか持っており、縄張りの確認や餌探し、仲間の識別、繁殖相手の発見など、多くの場面で利用されている。
尿や糞によるマーキングも、嗅覚を利用したコミュニケーションとなっている。
視覚
夜間でもよく見える目を持っている。
瞳孔はネコと同じように縦長で、暗い場所でも効率よく光を取り込めるため、夜間での狩りを可能にしている。
一方で、色の識別能力は人間ほど高くないと考えられている。
尾の役割
キツネの尾には様々な役割がある。
・バランスを取る
・防寒
・子どもを包む
・仲間への合図
・感情表現
冬には尾を顔に巻き付けて眠る姿がよく見られる。
巣穴
キツネは巣穴を利用する。
自分で掘ることもあるが、アナグマやウサギ、マーモットなど他の動物が掘った穴を利用することもある。
繁殖期には巣穴で子育てを行う。
繁殖
繁殖期は種類や地域によって異なるが、多くは冬に交尾し、春になると3〜6頭ほどの子どもを出産する。
子ギツネは、
目が閉じた状態で生まれ
数週間で歩き始め
数か月で狩りを学び
秋頃には独立
することが一般的である。
社会性
オオカミなどは群れで生活することが多いのに対し、キツネは比較的単独生活を好む。
ただし、繁殖期や子育て中はつがいと子どもによる家族単位で生活を行う。
兄姉が子育てを手伝う種類も報告されている。
縄張り
キツネは縄張りを持つ動物である。
縄張りの広さは
・食べ物
・生息環境
・種類
によって異なる。
都市部では数十ヘクタール程度だが、自然環境では数百ヘクタール以上になることもある。
天敵
成獣では天敵は少ないものの、地域によって下記の動物などに襲われることがある。
・オオカミ
・オオヤマネコ
・ワシ類
・クマ
子ギツネは猛禽類や大型肉食獣の標的になりやすく、生存率は成獣ほど高くない。
人間との関係
キツネは昔から人間との関わりが深い。
農村ではネズミを捕食する益獣として見られる一方、家禽を襲う害獣とされることもある。
また、日本では稲荷信仰や昔話、中国やヨーロッパでは妖狐や神話など、多くの文化・伝承に登場する。
近年では都市部で暮らす「アーバンフォックス」も注目されており、人間社会との新たな関係が研究されている。